翠峯苑だより
2023/04/14
令和5年4月14日(金)AM8:30
「スプリング・エフェメラル」という言葉をご存知でしょうか。
直訳すると「春の儚さ」という意味です。
一般に、春の短い期間、一瞬だけ花を咲かせ、すぐに枯れて休眠してしまう草花の総称です。
イチリンソウ、ニリンソウ、カタクリやショウジョウバカマといった草花がこれにあたります。
言葉の用法として昆虫もスプリング・エフェメラルに含む場合があります。
昆虫でスプリング・エフェメラルの代表格はなんと言っても「ギフチョウ」でしょう。
アゲハ蝶の仲間で美しい姿をしています。
ギフチョウの名は岐阜県郡上郡祖師野村(現下呂市金山町祖師野)で採集されたことに由来します。
ここ郡上においても所縁あるチョウだと言えますね。
ギフチョウは一年を通してその大部分を蛹の状態で過ごし、春になると羽化するのですが、その命は文字通り儚く数日しか持ちません。
近年は数も少なくなり、準絶滅危惧種に指定されています。
もしギフチョウを見かけたらそっと見守り、その尊さを春に感じてみましょう。